カペラ・グリチネ第6回演奏会プログラムによせて

明日のコンサートでは3曲のモーツァルト作品を演奏する。管楽器の編成がいくぶん特殊で、木管楽器にはオーボエがなくクラリネットが2本使われる。メンバー構成の都合がきっかけとなったことも確かだが、モーツァルトで数少ないこの編成の3曲がまとめて演奏されるという機会も、案外珍しいのではないだろうか。

この3曲を演奏会で並べようとしたときにふつうは、難曲として知られる交響曲第39番を後半メインに置き、2つのピアノ協奏曲も、ティンパニとトランペットを含まない編成の23番協奏曲から演奏会を始めるのが一般的かもしれない。しかし今回はあえて逆の順番で臨む。

ベートーヴェンも好んだ変ホ長調の重厚な響きは、モーツァルト作品でも堂々と落ち着いた作風となり、動的な中にもいろいろな要素が内側に向かって集まっていくように感じるのに対し、明るく軽やかなイ長調では、外へ向かって放たれるような感覚がある。

交響曲39番と協奏曲22番で内に蓄えられた音のエネルギーが、編成も身軽になった第23番協奏曲で走り出し、最後には天空へ開放されるような演奏ができればと願っている。(音楽監督・伊藤理恵)

Cappella Glicine

カペラ・グリチネは、モーツァルトのピアノ協奏曲全曲演奏を目指して、同時代の様々な作品も取り上げ、緻密かつ柔軟にアンサンブルを楽しむことを目的として結成された、アマチュア室内オーケストラです。

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